子どもの権利に根ざした3年目の課題と取組の方向性
多くの悲しみを静かに共有し、3年目の決意を新たにしたいと思います。
子どもも支援者も我慢することに疲れてしまっていることから、のびやかで楽しい、家族や地域が支え合うあたりまえの日常性を取り戻すことが必要だと強く感じています。子どもの権利に根ざした3年目の課題と取組の方向性を、以下のように考えています。
1)子どもの権利の視点の明確化〜子ども参加、子どもと共に復興する
子どもから高齢者まで地域の人全体が参加し、発言し、働き、支え合う社会の復旧を
子どもたちは求める。子どもたちの意見表明と参加が今こそ求められる。
2)今を支援する視点
仮の生活(住宅、学校、施設など)が長期間にわたって仮であり続けることにより、
本来の生活再建への歩みを遅らせ、病んでいく人を増やしている。
子どもは、今を生きる主体であることを中心に置き、未来につなぐために
「今」を取り出して最善の支援をいかにしておこなうか、考える視点が必要である。
3)インクルーシブな施策の徹底
人的、経済的な支援が少ない為に、重篤な問題を抱えている人を抽出して、
特別に支援を進めるという方式には スティグマや対立が発生するリスクを
はらんでいる。事業を地域で普遍化しなければ分断を促進させる。
環境整備と保護的支援の重層的支援の展開を進めることで、インクルーシブな
社会づくり、地域の健康度を上げるためには生活支援や様々な支援において
自立支援に向けた取り組みとその視点の共有が必要である。
4)権利侵害を許さない:子ども自身の相談・救済の仕組み
5)多様な分野の横断的なネットワーク :権利と権利のぶつかりの調整
6)行政と市民社会との協働の推進 :つなぎ役とつなぎ方
7)コーディネーターの配置
子どもの権利の視点をもち、つながりをつくるためのコーディネーターが必要である。
家庭・学校・地域で、子ども相互、大人と子ども、専門家と市民、公と民など
様々なところで話合いが十分に持たれず、コミュニケーションが取れないことに
よって、支援が十分に届かない人が増えている。
対立や孤立を和らげるために今何をすることが必要なのかを、被災地の子どもたちを
エンパワーすることを中心に考えなければならない。
8)支援の継続性 :希望をつなぐ