『もう逃げられない、ママ、さようなら』と何度も思った。
2011-06-11
地震が来たとき、壁の画鋲が落ち、入り口の引き戸が開けても揺れで閉まってしまう。
それを見て怖くて逃げられないと思った。泣いているお友達やキャーキャー騒ぐ子もいた。私は困っていた。怖くて動けなかった。
一旦、外に非難したが、帰りの支度をしに教室に戻ると、2度目の大きな地震が来た。机の下にすぐ隠れたが、机の上の鉛筆や紙が揺れで落ちてきた。
『もう逃げられない、ママ、さようなら』と何度も思った。
ママが迎えに来たとき、ママが無事でよかったと思った。
(お母さんより)
幼稚園からの帰りの車の中では、緊張から固まってしまいまったく笑顔が見られなかった。
話しかけても表情がなく顔が引きつっていた。緊急地震速報がTVや携帯から流れると、身体をがたがた震わせて、手に汗をかき、親にしがみついて離れなくなる。その様子は現在でも続いている。
1ヶ月ほどして、父親と入浴中に、『パパ、誰にも言わないで。○○(←名前)ね、地震のとき死んじゃうと思ったんだよ。もうみんなに会えないと思った』と話していた。
いつ地震が来るか解らない不安から、今でも1人でトイレに行ったり、別の部屋に物を取りに行くことができないでいる。
(千葉県・小学1年生 被災当時は幼稚園年長)