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東日本大震災3年目にー子どもたちの声を聴こう

2014-03-11

東日本大震災から3年、卒業式を目前にひかえて被災した小学校6年生が、今年は中3で高校受験に挑戦しています。子どもたちは、立ち止まることが許されない現実の中で、意見を出す機会はほとんど与えられていないにも関わらず、できあがった未来図・計画に基づくその町の担い手として位置づけられ、期待されるという矛盾の中で暮らしています。
3年という月日は、子どもの復興の状況に「支えられ」の違いをもたらしました。家庭、学校や地域は、その子によってその壊れ方が違い、また支えられ方にも違いが出ています。支えられない子どもを必ず受け止め、支えるのが地域であるべきなのですが、その主体である自治体や国はその最低限の支えができていません。子どもの「支えられ」の違いは、大人の暮らしの復興の度合いが大きく影響するだけに、個別の子どもたちの抱える課題を大人たちは理解できないでいるのです。それは、子どもたちの実態をつかみとれないがゆえにおきることでもあります。
東日本大震災子ども支援ネットワークは、子どもの権利条約の「被災地での具体化」を進めるために子どもたちの意見を聞く活動を丁寧に行ってきました。子どもの権利条約が重視する「子どもの参加」は、子どもの声を聴くことが、まず出発点であるからです。子どもの声を聴き、子どもたちが復興の主体として位置づけられるために、国会議員会会館や、被災県での支援者たちの意見交換会等、さまざまな提言を行ってきました。このことは、震災から3年目を迎える今だからいっそう重要であるといえます。子どもたちは何を感じ、どのように考えているのか。何が足らず、どのように支援をしたらいいのか。安心できる人と安全な場で、話し方が分かってくれば彼らは雄弁に語り始めます。そうした場が重要であることも実感しました。
以下にご紹介する発言は、震災後毎年、成人の日前後の日曜日に東京で行ってきた子どもと大人の復興にかかわる意見交換会の感想として寄せられたものです。今年の1月12日で第3回目を迎えました。
今年は、この3年間、日常を丁寧に支えられてきた岩手県山田町ゾンタハウス、登米SUKOYAKA、南三陸町志津川中学卒業生、福島県の中高校生合計20人が集まり、大学生や、子どもの意見を言いやすくするための配慮をするファシリテーターの専門家たちに支えられながら、約4時間、被災地の子どもを支援したいと考える大人たちと語りました。
安全な場で、安心できる大人たちと一緒に考えた被災地の復興の実態と課題、そして提案でした。被災地では、家庭や学校・地域が壊れる中で、様々な市民支援活動が展開しました。こうした活動に支えられた中高校生たちは、発言することで新しい自分に気づき明日に向かって歩みだしていきます。私たちはその声をしっかり受けとめ、支え続けようと考えています。


2014.3.11
東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長
森田明美(東洋大学教授)



「子どもたちと一緒に考える被災地の復興支援」(2014年1月12日)
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